結婚生活が長くなるにつれてセックスの回数が減り、夫婦でセックスをすることにどのような意味や効果があるのか、気になっている方もいるでしょう。夫婦のセックスは、性的な気持ちよさだけでなく、愛情を感じたり、気持ちを伝え合ったりする機会にもなります。
本記事では、夫婦でセックスをすることで期待できる効果や理想の頻度、結婚生活が長くなるとセックスが減る理由、性生活を楽しむための方法を解説します。夫婦の性生活を見つめ直したい方は、ぜひ参考にしてください。
夫婦でセックスをすることで期待できる5つの効果【メリット】
夫婦にとってセックスは、性的な気持ちよさを得るだけのものではありません。愛情を表現したり、体で触れ合ったり、気持ちを伝え合ったりする機会にもなります。全国の18〜69歳の男女5,029人を対象とした調査でも、セックスをする動機として、愛情の表現やふれあい(コミュニケーション)が調査項目に挙げられています(※)。
また、さまざまな研究で、性生活と夫婦関係の満足度、幸福感、ストレス、睡眠などとの関連が報告されています。ただし、セックスをすれば健康になる、夫婦仲が必ずよくなるというわけではありません。関連は示されていても、因果関係までは確かめられていないものもあります。夫婦でセックスをすることで期待できる5つの効果について詳しく紹介します。
(※)参照:JEXSEXUALHEALTH「JEX JAPAN SEX SURVEY」https://www.jex-sh.jp/column/japan_sex_survey/
お互いの愛情や親密さを感じられる
セックスは、キスや抱擁、愛撫などの体の触れ合いを通して、相手への愛情を表現する機会にもなります。言葉にしなくても、触れ合うことで相手を大切に思う気持ちが伝わる場合もあります。
国内で大学生141人を対象に行われた研究では、恋人と性行為をする理由の一つとして「愛の確認」が挙がりました(※)。さらに、愛を確かめる目的での性行為は性的な満足度の高さと結びつき、その満足度が恋愛関係そのものへの満足度とも関連していたと報告されています。対象は既婚の夫婦ではないものの、性生活と2人の関係の満足度がつながっていることを示す結果です。
ただし、セックスだけが愛情を確かめる方法ではありません。ハグやキス、日々の会話などを通しても、夫婦の親密さは育めます。セックスは、お互いの愛情や親密さを感じる機会の一つと考えるとよいでしょう。
(※)参照:青年心理学研究「大学生が恋人とセックス(性行為)をする理由とセックス(性行為)満足度・関係満足度との関連」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsyap/29/1/29_29/_article/-char/ja
気持ちを伝え合うきっかけになる
性生活を楽しむには、どのような触れ方が心地よいか、何をしてほしいか、苦手なことは何か、どのくらいの頻度を望んでいるかといった希望をすり合わせる必要があります。普段は口にしにくい気持ちだからこそ、性生活について話すことが、本音を共有するきっかけになります。
育児期の夫婦116組を対象とした研究では、夫婦が互いに歩み寄り、共感し合うコミュニケーションをとっている場合のほうが、夫婦関係の満足度が高い傾向が見られました(※)。性生活についての会話を調べた研究ではないものの、相手と向き合って気持ちを伝え合うことの大切さがうかがえます。
大切なのは、セックスそのものより、してほしいことも嫌なことも素直に言い合える関係を築くことです。自分の希望を伝えるだけでなく、相手の気持ちにも耳を傾けましょう。
(※)参照:J-STAGE「育児期における夫婦間のコミュニケーション態度が夫婦関係満足度に及ぼす影響―1歳6か月児・3歳児を育てる夫婦に着目して―」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/38/1/38_JJAM-2022-0044/_article/-char/ja
幸福感や生活の満足度につながる
国内の研究では、性生活への満足度が高い人ほど、パートナーとの関係への満足度も高いという関連が報告されています(※1)。また、中年期の夫婦223組を調べた研究では、夫婦関係への満足度が高い人ほど、主観的な幸福感も高い傾向が見られました(※2)。性生活の満足と夫婦関係の満足、そして幸福感は、互いに結びついていると考えられます。
海外では、3つの研究で計30,645人のデータを分析し、交際関係にある人では、セックスの頻度と幸福感に関連があることが示されています(※3)。ただし、頻度が高いほど幸福感が高まり続けるわけではなく、週1回を超えるとそれ以上の関連は見られませんでした。回数を増やせば幸せになるというわけではないため、2人が満足できる性生活を大切にしましょう。
(※1)参照:J-STAGE「性的満足度の男女別規定要因」https://www.jstage.jst.go.jp/article/pbsj/51/0/51_188/_pdf/-char/ja
(※2)参照:J-STAGE「マルチレベル構造方程式モデリングによる夫婦ペアデータへのアプローチ:中年期の夫婦関係のあり方が夫婦関係満足度,家族の安定性,および主観的幸福感に及ぼす影響」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjesp/56/2/56_si3-2/_article/-char/ja
(※3)参照:SAGE Journals「Sexual Frequency Predicts Greater Well-Being, But More is Not Always Better」https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1948550615616462
ストレスが和らぐ可能性がある
海外の研究では、8,452人から集めた66,181件のデータを分析した結果、前の晩にセックスをした日は、しなかった日と比べて、翌朝のストレスが低く、前向きな気持ちや物事に対処できるという感覚が高いという関連がみられました。
また、カップル183組を対象とした実験では、パートナーとの親密な触れ合いが、ストレスを受けたときのホルモンの反応や回復に関係していたことが報告されています。ただし、この研究はセックスそのものではなく、カップルの親密な交流について調べたものです。
忙しい毎日のなかで、2人でゆったりと触れ合う時間を持つことは、心をほぐすきっかけの一つになります。お互いが心地よいと感じるペースで、リラックスできるひとときを楽しみましょう。
睡眠や身体の健康によい影響を与える可能性がある
海外の研究では、パートナーとのセックスでオーガズムを感じた場合、寝つくまでの時間が短く、睡眠の質も高いと感じていたという関連が報告されています。
同棲中のカップル14人を対象に、自宅での睡眠を計測した研究でも、パートナーとのセックスのあとは、眠りの効率がよくなり、夜中に目覚める時間が短かったという結果が出ています。ただし、この研究は人数が少なく、すべての人に当てはまるとはいえません。また、前の晩にセックスをした日は、翌朝の血圧が低かったという関連を示した研究もあります。
ただし、こうした結果は睡眠や翌朝の血圧など短期的な関連を示したものであり、病気の予防や長生きにつながるとまで確認されているわけではありません。2人が望んで楽しむ時間が、心地よい眠りや体のリフレッシュにもつながるかもしれない、くらいの気持ちで取り入れてみてください。
夫婦のセックスはどれくらいの頻度が理想?
夫婦のセックスの頻度に、「週〇回が理想」という一律の基準はありません。体調や年齢、仕事、育児の状況、性欲の強さ、それぞれの希望などによって、心地よいと感じる頻度は夫婦ごとに異なります。とはいえ、ほかの夫婦がどのくらいの頻度なのか気になる方も多いでしょう。国内外の調査結果は下記のとおりです。
【セックスの頻度に関する主な調査結果】
| 対象 | 主な結果 | 注意点 |
| 全国の18〜69歳の男女5,029人(※1) | 1年間のセックスの回数は、男性の64.3%、女性の66.8%が月1回未満 | 夫婦に限った調査ではない |
| 結婚2年以内の女性220人(※2) | 現在の頻度は月2〜3回が最も多く、次いで週1回。数十年後の理想も月2〜3回や週1回が多い | 新婚の女性に限った調査 |
| 3つの研究による計30,645人(※3) | 交際関係にある人では、頻度と幸福感に関連がある。ただし週1回を超えると関連はそれ以上強くならない | 関連を示したもので、因果関係ではない |
国内では月1回未満の人が多数を占める一方、新婚の夫婦では月2〜3回や週1回が多く、理想とする頻度も人によってさまざまです。また、海外の研究からは、回数が多いほど夫婦にとってよいとは一概にいえないことがわかります。
大切なのは、平均の回数やほかの夫婦と比べることより、今の頻度について夫婦2人がどう感じているかです。片方は月1回で十分と感じていても、もう片方は週1回を望んでいることもあります。希望に差がある場合は、お互いの気持ちを話し合い、2人が無理なく満足できるペースを探していきましょう。
(※1)参照:ジェクス「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2024」https://www.jex-sh.jp/column/japan_sex_survey/
(※2)参照:ゼクシィ「みんなの新婚SEX白書~頻度・誘い方・妊活etc.~」https://zexy.net/article/app000001444/
(※3)参照:SAGE Journals「Sexual Frequency Predicts Greater Well-Being, But More is Not Always Better」https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1948550615616462
結婚生活が長くなるとセックスが減るのはなぜ?
結婚生活が長くなれば、必ずセックスが減るというわけではありません。ただし、全国の男女を対象とした調査では、婚姻関係にある人のセックスレスの割合が、過去の調査と比べて増えている傾向が示されています(※)。
夫婦のセックスが減る背景には、単に相手に飽きたからというだけでなく、さまざまな要因が重なっている場合があります。主な5つの理由を詳しく解説します。
(※)参照:ジェクス「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2024」https://www.jex-sh.jp/column/japan_sex_survey/
仕事・家事・育児で余裕が少なくなる
子どもが生まれると、生活のリズムや夫婦2人だけで過ごせる時間は大きく変わります。首都圏の夫婦を妊娠期から追跡した国内の研究では、出産や子育ては夫婦に大きな喜びをもたらす一方、家事や育児の負担からストレスが加わり、夫婦関係にも変化が見られたと報告されています(※)。
疲れていたり、翌日の仕事が気になったりと、心と体に余裕がないことが、性生活に影響する場合もあります。
(※)参照:J-STAGE「妊娠期・乳幼児期における夫婦関係の変化」https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/58/0/58_0_135/_article/-char/ja
妊娠・出産をきっかけに性生活が変化する
妊娠中の夫婦201組を対象とした研究では、望ましい性的な関わり方に男女で違いが見られました(※1)。「そばにいればいい」と答えた人は妊婦で51.7%、夫で30.3%だった一方、「セックスする」と答えた人は妊婦で8.0%、夫で32.3%でした。
また、産後3〜12か月の夫婦69組を対象とした研究では、産後の女性の約4割が、体の接触がなくても満足と答えています(※2)。体の変化に加え、睡眠不足や育児中心の生活も重なるため、以前と同じ性生活にならないことは珍しくありません。
(※1)参照:J-STAGE「妊娠期の性生活 : 妊婦とその夫の性の認識と満足の差異」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/7/2/7_KJ00003256552/_article/-char/ja
(※2)参照:J-STAGE「出産後の性生活(第1報) : 夫婦の性生活の認識に関する一考察」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/5/2/5_KJ00003256383/_article/-char/ja
性欲や希望する頻度に違いが出てくる
長く一緒に暮らしていても、2人の性欲がいつも同じとは限りません。中高年の女性292人を対象とした調査では、約3割が性的な欲求に夫が応えてくれないと感じ、約4割が夫との不一致感を抱いていました(※)。どちらかはしたいのに、もう一方はしたくないというズレが続くと、自然と頻度が下がることもあります。
(※)参照:J-STAGE「中高年女性の性行動に関する調査 : 第2報」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/5/1/5_KJ00003256357/_article/-char/ja/
体の変化や性交時の悩みが生じる
年齢や体調によって、性欲の低下や勃起の問題、性交時の痛みなどが生じる場合もあります。日本性科学会でも、性欲低下や勃起障害、性交疼痛症などを主な相談内容として挙げています(※)。こうした悩みはパートナーに打ち明けにくく、セックスを避けるきっかけになることもあります。
(※)参照:日本性科学会「カウンセリング室について」https://sexology.jp/counseling/
いつもの流れが固定化する
結婚生活が長くなるにつれて、セックスをする時間帯や場所、愛撫、体位などが決まったパターンになる夫婦もいます。毎回同じ流れが続くことで、新鮮さを感じにくくなる場合もあります。生活や気持ちの変化に合わせて、今の2人に合った性生活の楽しみ方を探してみることが大切です。
夫婦間でのセックスにマンネリを感じている方は、「夫婦の夜のマンネリを解消する7つの方法!いつもの性生活に変化をつけるコツ」の記事もぜひご覧ください。
夫婦で性生活を楽しむためにできること
結婚生活が長くなるなかで、性生活の形が変わっていくのは珍しいことではありません。以前と同じ形にこだわるより、今の2人が心地よいと感じる方法を探してみましょう。
どの方法も、どちらか一方の希望だけで進めるのではなく、2人が納得できる範囲で取り入れることが前提です。夫婦で性生活を楽しむための3つの方法について、詳しくみていきましょう。
お互いの希望や気持ちを共有する
まずは、今の性生活について2人がどのように感じているかを知ることから始めましょう。話し合うといっても、何を話せばよいかわからない方もいます。たとえば、今の頻度に満足しているか、もう少しスキンシップを増やしたいか、試してみたいことはあるか、苦手なことや嫌だと感じることはないか、といった点を確かめてみてください。
このとき、「もっとしてほしい」と自分の要求を伝えるだけで終わらせないことがポイントです。自分の希望を伝えながら、相手の気持ちにも耳を傾けると、お互いの考えのズレに気づきやすくなります。また、希望を伝え合うのと同じくらい、嫌なことは嫌と言える関係であることも大切です。夫婦であっても、新しいことを試すときは、その都度相手の気持ちを確かめるようにしましょう。
夜の過ごし方や雰囲気を変える
仕事や家事、育児に追われていると、セックスをする時間帯や場所、流れが毎回同じになりがちです。マンネリを感じているなら、普段とは少し違う過ごし方を試してみるのも一つの方法です。性的な内容そのものを大きく変える必要はありません。いつもより早い時間に2人で過ごしたり、寝室を整えて照明を少し落としたり、音楽をかけたりするだけでも、雰囲気は変わります。
旅行先やホテルなど、普段と違う場所で過ごすのもよいですし、マッサージなどのスキンシップから始めるのもおすすめです。どのような変化が心地よいかは夫婦によって異なるため、2人でリラックスできる過ごし方を探してみてください。
新しい刺激として大人のおもちゃを取り入れる
いつもの愛撫やセックスに変化を加えたい場合は、大人のおもちゃも選択肢の一つです。振動や吸引、カップル向けのリングなど、手や体だけでは取り入れにくい刺激を楽しめます。2人で一緒に楽しめるアイテムや、性別を問わず使えるアイテムも展開されています。
ただし、マンネリだから使うべきというものではありません。2人とも興味がある場合に、新しい楽しみ方の一つとして試してみましょう。いきなり購入するのではなく、「こういうのは気になる?」「これなら使ってみたい?」と話しながら一緒に選ぶのがおすすめです。相手が乗り気でない場合は、無理に勧めないようにしてください。
性生活の楽しみ方は夫婦によって異なります。新しいことを試す場合も、回数や何らかの効果を求めすぎず、2人が心地よく過ごせることを大切にしましょう。大人のおもちゃに少しでも興味がある方は、「カップル向け大人のおもちゃとは?種類やメリット・初心者向けの選び方を解説」の記事もぜひご覧ください。
まとめ|夫婦のセックスは回数や効果よりも2人の満足感を大切に
夫婦のセックスは、お互いの愛情や親密さを感じたり、気持ちを伝え合ったりするきっかけになります。また、幸福感やストレス、睡眠との関連も報告されており、心と体の両面によい影響をもたらす可能性があります。
理想の頻度にも一律の基準はなく、仕事や育児、体の変化などによって、性生活の形が変わるのは自然なことです。大切なのは、回数や効果にこだわりすぎず、今の性生活に2人が満足しているかどうかです。希望や気持ちを伝え合いながら、夜の過ごし方を変えたり、2人とも興味があれば大人のおもちゃを取り入れたりと、今の2人に合った楽しみ方を探していきましょう。
まずは、今の性生活についてどう感じているか、2人で気軽に話すところからはじめてみましょう。


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